ESXi上でRACを構築する【Grid Infrastructureのインストール】
ここでは、「Grid Infrastructure」のインストール手順を説明します。
0.事前作業
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「Grid Infrastructureのインストールファイル」の解凍
任意の場所で解凍する(ここでは、[/usr/local/oracle/]とする)
※「Grid Infrastructureのインストールメディア」(p10404530_112030_Linux-x86-64_3of7.zip)
# cd /usr/local/src/oracle
# unzip p10404530_112030_Linux-x86-64_3of7.zip
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X飛ばしの準備
・クライアントPC上でXサーバを立ち上げる(フリーソフト:Xming)
・rootでSSHログインをしている場合は、下記の手順を行う(gridユーザでアクセスしている場合は不要)
# env|grep DISPLAY
DISPLAY=localhost:10.0
# xauth extract /tmp/xauth_grid unix:10.0
# chmod 644 /tmp/xauth_grid
# sudo -H -u grid xauth merge /tmp/xauth_grid
※DISPLAY環境変数のディスプレイ番号.スクリーン番号(上記では「10.0」)とunix:xxの「x.x」を同じ値にする
※2012年5月17日加筆
CgywinなどのフリーのXサーバをクライアントPCで起動する。
1.「Grid Infrastructure」のインストール
ここでは、X飛ばしで「Grid Infrastructure」をインストールする手順を示します。
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「Grid Infrastructure」のインストーラー実行(gridユーザ)
・rootユーザでログインしている場合
# cd /usr/local/src/oracle/grid/
# sudo su -c "./runInstaller" grid
・gridユーザでログインしている場合
$ cd /usr/local/oracle/grid/
$ ./runInstaller
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Software Updateのダウンロード
「ソフトウェア更新のスキップ」にチェックし、「次へ」をクリックする
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インストール・オプションの選択
「クラスタ用のOracle Grid Infrastructureのインストールおよび構成」にチェックし、「次へ」をクリックする
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インストールタイプの選択
「拡張インストール」にチェックし、「次へ」をクリックする
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製品言語の選択
「日本語」と「英語」を選択し、「次へ」をクリックする
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Gridプラグ・アンド・プレイの選択
クラスタ名「rac-cluser」、SCAN名「scan-vip01」、SCANポート「1521」とし、「GNSの構成」のチェックを外し、「次へ」をクリックする
※SCAN名は、hostsファイルまたはDNSに登録して名前解決できること。
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クラスタ・ノードの情報
※事前に両ノードのgridユーザにパスワードを設定しておくこと。
「追加」をクリックし、ダイアログが立ち上がる。
ダイアログに2台目のRACサーバ情報(パブリック・ホスト名:rac-server02,仮想ホスト名:rac-server02-vip)を入力し、「OK」をクリックする。
「クラスタ・ノード情報」画面に戻り、「SSH接続」をクリックすると入力フィールドが表示されるので、gridユーザのパスワードを入力し、「設定」をクリックする
「選択されたノード間でパスワード不要のSSH接続の確立に成功しました」というメッセージがでたら、「OK」をクリックする。
「クラスタ・ノード情報」画面に戻り、「次へ」をクリックする
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ネットワーク・インターフェースの使用方法の指定
今回の環境では、パブリックインターフェースは「eth0」、プライベートインターフェースは「eth1」を使用するので、そのようになっているかを確認した上で、「次へ」をクリックする。
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記憶域オプションの情報
「Oracle自動ストレージ管理(Oracle ASM)」にチェックし、「次へ」をクリック
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ASMディスク・グループの作成
この画面では、OCRおよび投票ディスクを格納するASMディスク・グループを作成する。
下記の情報を入力し、「次へ」をクリック
・ディスク・グループ名:CL01DG
・冗長性:外部
・AUサイズ:4MB
・OCRおよび投票ディスク用のディスク: RAW1,RAW2,RAW3
※その他のディスク・グループは後ほど作成する。
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ASMパスワードの指定
SYSとASMSNMPのパスワードを入力し、「次へ」をクリック
※簡単なパスワードの場合、警告がでますが、そのまま「はい」をクリックし処理を進めることができます。
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障害の分離のサポート
「Intelligent Platform Managerment Interface(IPMI)を使用しない」にチェックし、「次へ」をクリック
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権限付きオペレーティング・システム・グループ
「Oracle ASM DBA(ASM OSDBA)グループ」、「Oracle ASM オペレータ(ASMのOSOPER)グループ」、「Oracle ASM管理者(OSASM)グループ」のOS認証するグループを設定し、「次へ」をクリック
※同じグループを設定した場合は、警告メッセージがでるが、そのまま「はい」をクリックし、処理を進める。
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インストール場所の指定
「Oracleベース」の場所とソフトウェアの場所を指定し、「次へ」をクリック
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インベントリの作成
「インベントリ・ディレクトリ」を指定し、「次へ」をクリック
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前提条件チェックの実行
前提条件チェックで警告、失敗ステータスがある場合は、その内容を確認し、対応した上で再度、「再チェック」をクリックする
※「修正可能」列に「はい」と表示されている検証項目に対して修正スクリプト(runfixup.sh)による値の修正ができます。
「修正および再チェック」をクリックすると「修正スクリプトの実行」画面が表示されます。
スクリプト実行後、再度「再チェック」を実施する。
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サマリー
サマリー内容を確認の上、「インストール」をクリック
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製品のインストール
「製品のインストール」画面で、「rootスクリプトの実行」まで進むと、「構成スクリプト」ダイアログが立ち上がる。
「構成スクリプト」ダイアログの指示に従い、インストーラーを実行しているノードから構成スクリプトを実施する。
# /u01/app/oraInventory/orainstRoot.sh
:
スクリプトの実行が完了しました。
# /u01/app/11.2.0/grid/root.sh
:
Configure Oracle Grid Infrastructure for a Cluster ... succeeded
※すべてのノードで実施する。
すべてノードで構成スクリプトを実行したら、「構成スクリプト」ダイアログに戻り、「OK」をクリック
「Oracle Cluster Verificationユーティリティに失敗しました」というダイアログがでたら、「詳細」をクリックし、ログの在り処を確認する。
※エラー内容が下記であれば、HOSTSファイルで名前解決をしているので問題ありません。上記ダイアログの「OK」をクリック
情報: "scan-vip01"の名前解決の設定をチェック中...
情報: ERROR:
情報: PRVG-1101 : SCAN名"scan-vip01"の解決に失敗しました
情報: ERROR:
情報: PRVF-4657 : "scan-vip01"の名前解決の設定チェック(IPアドレス: 10.xx.146.xxx)に失敗しました
情報: ERROR:
情報: PRVF-4664 : SCAN名"scan-vip01"に対して一貫性のない名前解決エントリが検出されました
情報: SCAN VIPおよびリスナー設定の検証に失敗しました
「製品のインストール」画面に戻り、 「スキップ」をクリックし、「次へ」をクリック
※「一部のConfiguration Assistantで失敗しました。」というメッセージがでるが、上記エラー内容であるため「はい」をクリック
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終了
「閉じる」をクリックし、「Grid Infrastructure」のインストールを完了する。
ESXi上でRACを構築する手順一覧
01.
ESXi上でRACを構築する 【仮想マシン環境の整備(ESXi)】
02.
ESXi上でRACを構築する 【仮想マシンのインストール(ESXi)】
03.
ESXi上でRACを構築する 【共有ストレージファイル作成(ESXi)】
04.
ESXi上でRACを構築する 【仮想共有ストレージ設定(ESXi)】
05.
ESXi上でRACを構築する 【RAC構築の事前作業】
06.
ESXi上でRACを構築する 【ゲストOSの複製】
07.
ESXi上でRACを構築する 【Grid Infrastructureのインストール】
08.
ESXi上でRACを構築する 【ASMディスクグループ作成】
09.
ESXi上でRACを構築する 【Oracleデータベースのインストール】
10.
ESXi上でRACを構築する 【データベースの作成】
11.
ESXi上でRACを構築する 【インストール後の確認】
12.
ESXi上でRACを構築する 【Oracle RAC書籍】
13.
ESXi上でRACを構築する 【VmwareESXi書籍】
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